【生成AI×アニメ】アニメ未経験者でも制作に関われた理由──「鷹の爪」DLEの現場から見える変化

2026.4.16

【生成AI×アニメ】アニメ未経験者でも制作に関われた理由──「鷹の爪」DLEの現場から見える変化

アニメの制作現場が、いま大きく変わりつつあります。
生成AIの導入によって、これまで3週間かかっていた3分間のショートアニメが、わずか4日で完成するようになったというのです。
人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」を手がけるアニメ制作会社・DLE(ディー・エル・イー)。2026年3月、同社社長の小野亮さんが制作現場の実態を語り、業界内外で注目を集めました。

この記事では、DLEの取り組みを軸に、生成AIがアニメ制作にもたらす変化の実態と課題を、第三者の視点から整理していきます。

ふるやん

DLEの取り組みとはいったい・・?

DLEのAI制作スタジオはどう動いているか

DLEが2025年に立ち上げたAI映像制作スタジオでは、現在「小泉八雲のKWAIDANの世界」というショートアニメを制作しています。
1話約3分で、アニメ調と実写調の2スタイルで描き分けた作品です。

▲FNNプライムオンラインにて

その制作の流れは、シンプルにまとめるとこんな感じです。

DLEのAI制作の流れ

  • ディレクターがイメージを言語化(プロンプト作成)
  • 生成AIで静止画を出力
  • 微調整しながら再生成
  • 確定した静止画を「Image to Video」でアニメーション化
  • カット割り・BGM・ナレーションを追加して1話完成

注目すべきは、制作チームがわずか4人である点です。

しかも、メンバーにはアニメ未経験者も含まれています。テレビのバラエティ番組でAD・ディレクターをしていた人材が、そのまま制作に入っているそうです。
「カット割りやカメラワークの感覚」が活かせれば、絵が描けなくてもアニメ制作に参加できる時代が、現実のものとなりつつあります。

ふるやん

絵が描けなくても、言葉で伝えれば映像が作れる。そんな時代になってきました。

プロンプトは思ったより難しい

とはいえ、実際の現場はスムーズではありません。

たとえば「雪女が男性を抱きかかえるシーン」を作ろうとして、「赤ちゃんを抱くように」と指示したところ、本当に赤ちゃんが出てきてしまった、という話がありました。

▲ ×赤ちゃんを抱くようにと指示し失敗
▲ 〇男性を抱きかかえるように生成!完璧

生成AIは、人間のように『ニュアンスで察する』ということができません。
書いた通りに解釈するので、意図とズレることがよく起こります。

そのため
表現が曖昧だと狙い通りにならない
何度も修正・再生成が必要になる
キャラの顔や衣装を揃えるのが難しい
複雑な動きはまだ苦手
といった課題は、現場でも普通に出ているようですね。

ふるやん

これはAIの特性であり、現時点での限界でもあります

イメージ通りの画像を得るには、言葉を細かく調整しながら何度も再生成を繰り返す必要があります。「言葉で絵を指示する」スキルは、それ自体が習得に時間のかかる作業です。

DLEも「複雑な動きはまだ難しい」と話していて、AIだけで全部できる、というわけではありません。

避けて通れない著作権の問題

無視できないのが、著作権の問題です。

生成AIが作った映像が既存作品に似てしまうケースは、すでに国内外で議論になっていますよね。
特にアニメは、キャラクターや世界観の類似が指摘されやすいジャンルです。

小野社長も、AI導入について「正直、賭けだった」と話しています。
炎上リスクも考えたうえで踏み切ったそうですが、結果としてネガティブな反応は想定より少なかったとのこと。

ただし、これはあくまでDLEのケースです。

どのAIを使うか、どんなデータで学習されているか、どう運用するかによってリスクは大きく変わります。
現状では、慎重な判断が必要な領域であることに変わりはありません。

数字だけで判断しないほうがいい

「制作日数、3週間が4日になる」というインパクトのある数字は魅力的ですが、そのまま鵜呑みにするのは少し危険です。

今回の事例は

  • DLEという特定の会社
  • 3分のショートアニメ
  • AI前提で組まれた制作体制

という条件がそろった上での結果です。
長編作品や、キャラの一貫性が重要な作品にそのまま当てはまるとは限りません。

また、AIを使えばコストがゼロになるわけでもなく

  • 再生成のコスト
  • 品質チェックの手間
  • ワークフローの再設計

など、別の負担も出てきます。
結局のところ、「AIを使うかどうか」ではなく、「どこにどう組み込むか」がポイントになります。

まとめ

DLEの事例から見えてくるのは、生成AIが確実に制作の形を変え始めているということです。

  • 制作スピードは大きく向上(3分のショートアニメが、わずか4日で完成)
  • 未経験者でも関われる余地が広がっている
  • 一方で、技術面・表現面・権利面の課題は残っている

「AIで全部できる」という段階ではなく「どう使うかで差が出る」フェーズに入っているというのが実感に近い印象です。

もし自社でAI活用を検討する場合は、まず専門家への相談から始めることをおすすめします。

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■参考サイト

DLE制作の最先端AI活用ショートアニメ『小泉八雲のKWAIDANの世界』がTSKで10月2日(木)放送開始 | DLE Inc.

生成AIでアニメ制作に“革命的変化” 3週間の作業が4日に短縮 「鷹の爪」DLE社長が語る“現場の今”(2026年03月09日)