個人制作から実案件へ。AIで広がる映像表現の可能性

2026.2.6

個人制作から実案件へ。AIで広がる映像表現の可能性

おミヤさん
映像クリエイター

映像編集全般を担当し、構成から編集、After Effectsを駆使したアニメーション制作も行う。
前職ではWEB広告やアニメーション系のWEBコンテンツ制作にも関わり、見る人を楽しませ、クライアントを幸せにする映像制作を心がける。
AIツールを活用した新しい映像制作に挑戦しながら、実案件でのワークフロー確立にも取り組む。

個人制作が好きだから、AIにハマるのは自然だった

―――まず、今どんなお仕事をされているのか教えてください

おミヤ:映像編集全般ですね。過去にはWEB広告やアニメーション系のWEBコンテンツ制作に関わっていたり、After Effectsを使った編集はお手の物です。最近は構成を考えることも増えてきました。

―――AIについても日々触られているとか。

おミヤ:そうですね、新しいサービス開発ができないかと、日々新しいツールに触っています。元から個人制作が好きで、二次創作動画やMVをひとりで編集してたんですよ。動画にはイラストや音声などたくさんの素材が必要になるんですけど、自分で全部描くのは時間が足りなくて。だからAIにハマるのは自然な流れでした。

―――ひとりで完結させたい理由があるんですか?

おミヤ:自分の世界観を途中で共有して一緒に作るのが苦手なんです。
アウトプットで語りたいタイプというか。そういう性格もあって、AIとの相性は良かったと思います。

「AIは誰でもできる」じゃなかったのか!

―――AI映画製作にも挑戦されたそうですね。

おミヤ:はい、「百合の怨刀」という作品で、Chroma Awardsというコンテストに応募しました。制作は2か月に及びましたね。

―――2か月、結構かかりましたね。

おミヤ:そうなんです。「AIならすぐできる」という思い込みを覆す体験でした。
納得いく画像がなかなかできなくて、繰り返される生成。動画においては、うまくやってる人がSNSにいるのに自分たちのAIでは再現できない!って。

「AIは誰でもできる」じゃなかったのか!と何度も思いました(笑)。

―――それをどう乗り越えたんですか?

おミヤ:試行錯誤の末、ついにワークフローを編み出したんです。
構想していたアクションシーンを作るには、Nanobananaで画面を構成した上で、HailuoというAIを使ってインアウトを指定し、最適なプロンプトで生成をしないといけなかった。通常の動画生成とは違うアプローチが必要だったんですよ。

―――制作以外でも大変だったことは?

おミヤ:クリエイティブが好きな社員同士で演出について議論が白熱したり。
コンテストの結果は残念でしたが、全力を振り絞って制作ができて、とても充実していました。そういう熱い議論ができる人、ぜひ来てほしいですね。

一番しんどかったのは、クリエイティブとスケジュールの板挟み

―――制作で一番しんどかったことは何ですか?

おミヤ:白熱した議論の中でクリエイティブに集中したい自分と、全体を見てスケジュールを締めなければいけない立場の間で揺れたことですね。
どちらにすればいいのかわからないのもそうですが、今思えばこれはAI特有の問題でもあったんです。

―――AI特有の問題とは?

おミヤ:AI生成にはワークフローが安定しないという問題があるんです。
たとえば「ガチャ」と言われることもあるAI生成を何回でやめればいいのか、平均して何回でいい結果が出るのかわからないので、スケジュールが組めない。
ましてや、画像・映像・音声なにから作ればいいのか、使うツールによってワークフローが変わるため、読みづらかったんです。

―――それをどう解決したんですか?

おミヤ:以後はガチャ回数を把握するようにして、およそ1シーンに何クレジット費やすのか、何時間かかるのか把握するように努めました。
おかげで実案件の見積もりや構成も安定するようになりましたね。

定量的な思考と、ディレクション思考への変化

―――見積もりやコスト感覚は、どこで身につけたんですか?

おミヤ:定量的な思考は、前の会社のWEBコンテンツや今の会社で縦型動画に触れて、アナリティクスに詳しくなったり、一本あたりの制作コストという視点にシビアになったためだと感じています。

―――働き方や考え方の変化もありましたか?

おミヤ:一人で好きに作っていた同人時代から、複数人で作るためのディレクション思考に変わっていったことも、このプロジェクトでの学びだと思います。
ChatGPTや音声生成AIを連携してVTuberが自動で会話してくれるツールを作ったり、織田信長が会話してくれるAIを作ったりと、いろいろ実験もしていますね。

AIへの風当たりが強い今だからこそ、高品質を目指す

―――今のAI業界をどう見ていますか?

おミヤ:今はAI映像制作といえば極端なコストカットがメインの用途になっていますが、いずれ、というかもうすでに、自然に制作過程に入ってくるようになってくる。
そうしたときに実用に耐えるような高品質なAIを使えるようにしておきたいんです。

―――会社の環境について教えてください。

おミヤ:特に人数が多い会社ではないので、普段の制作以外に、みな自分の好きなものを作りたいという思いを持って仕事をしています。自分は映像オタクっぽい領域ですが、それが面白い企画を仕掛けたいという人だったり、趣味にしている業界に関わりたいという人まで様々ですね。

―――メッセージをお願いします。

おミヤ:広告代理店と関わりレベルの高いクリエイティブに関われます。自分で映像を自由に考えて完成まで携わりたい人に向いていると思います。誰でもウェルカムな仲のいい会社なので、ぜひ来てほしいです。

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